2019年前後から、関西学生フラメンコ(ときには学生フラメンコ地方総局)のシンボルマークとして「三つ丁子巴」(みつちょうじともえ)紋を使用しています。
家紋って伝統的で、日本らしく、抽象的。いまどき、しかもフラメンコなのに意表をついて?。伝統豊かな関西の風土にも、フラメンコにもマッチすると考えました。
丁字は、いわゆるクローブclove。インドネシア原産のスパイスで、花のつぼみを乾燥させた物らしいです。スペイン語はclavo、スペイン料理でも時には使うようです。インド洋沿岸諸国、インドやアフリカで栽培されているようです
日本には最も古く入ってきたスパイスのひとつ?、5〜6世紀のものが正倉院にもあるそうです。仏教の儀式でも使われるそうです。仏教とともに伝わったのでしょうか。
無数にある日本の家紋のなかでも、外来のものがモチーフなのは珍しいと思います。仏教とむすびついてなじみが有ったからでしょうか。仏教もヒターノのルーツもインドであり、お経のような「音楽」はフラメンコと、またヒターノの価値観もインドと、どこか関係があるかもしれない。フラメンコがそんな方向の「外来」で有るからこその丁字です。スパイスって存在が、生活のスパイスというか、フラメンコにふさわしい感もあります。
とても香り高いですし、漢方にも使われるくらい健康にも良い。
三つ巴としての構図は→三位一体(カンテ・トーケ・バイレ)やセッション感、3拍子…などのような、フラメンコに重要な要素を表しているつもりです。また、12拍のサイクルがループする様は時計のような円、周回する動きを思わせ、そこで●を頭に右回り感のする三つ巴を選び、時の流れをもイメージさせます。(なお巴紋の左右の呼称については、諸説有ります。)
そして家紋の基本である円、輪であり和です。様々なバリエーションが可能です。
以下は例えば左から…
インド天文学・占星術由来ともいわれ9つの天体を表した「九曜」風
祇園花街の紋である「つなぎ団子」風(茶屋であることや8つの集団の団結が由来とか)
季節感?を表して「雪輪」や「桜浮綾」(ふせんりょう)…など
フォントは関西発ということで「ナショ文字」風。
ナショナル(松下電気、現パナソニック)が開発・使用(1937-87)。それっぽいフォントの使用はよくあります(代表例は「電気グルーヴ」さんのロゴ)。
新しいような、古いような、伝統もあり、若々しくもあり、なんだか楽しい関西学生フラメンコによいと考えました。